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ストークスの定理


ストークスの定理は、ベクトル解析における重要な結果であり、ある曲面上のベクトル場の曲面積分を、その曲面の境界に沿った場の線積分に結び付けるものです。この定理は、複雑な曲面積分に関わる問題を単純な線積分に変換したり、その逆に行ったりする強力なツールとして機能し、計算を容易にし、場と曲面の振る舞いを深く理解するのに役立ちます。

定理の内容: S を向き付けられた滑らかな曲面で、その閉曲線の境界が C であり、F は成分が S を含む開領域上で連続する偏微分をもつベクトル場であれば、次のようになります。

∮_c fdr = ∬_s curl fds

ここで、∮_C は、曲線 C に沿ったベクトル場 F の線積分を示し、curl FF のカールを表し、dS は曲面 S 上のベクトル場です。

記法の理解

ストークスの定理をよりよく理解するために、使用される記法と用語を理解してみましょう。

  • ベクトル場 (F): 空間内の各点にベクトルを割り当てる関数。例えば、F(x, y, z) = (P, Q, R)P, Q, Rx, y, z の関数。
  • カール (curl F): 3D ベクトル場の微小な回転を示すベクトル。それは次のように計算されます: curl F = ( ∂R/∂y - ∂Q/∂z, ∂P/∂z - ∂R/∂x, ∂Q/∂x - ∂P/∂y )
  • 面積分 (記号は ): 曲面上で積分する積分。ストークスの定理では、曲面積分は各点で曲面に垂直なカールの成分を考慮します。
  • 線積分 (記号は ): 曲線や線上での積分を伴う積分。
  • 曲面 (S): 2次元多様体で、基本的には紙や海の波のような 2D の形をしています。数学では、これらの多様体は無限に大きく、方程式で記述できます。
  • 境界曲線 (C): 曲面 S を縁取る閉じた曲線。

この定理に関与する主な要素や変数を理解したところで、ストークスの定理の主目的は、これらの積分、つまり曲面 S 上の曲面積分と境界 C に沿った線積分を等しくすることにあります。

アナロジーと視覚化

ストークスの定理を直感的に理解するために、次のアナロジーを考えてみましょう: 風の場が布のような曲面を流れていると想像してください。ここでは、場の各ベクトルがその点の風の方向と速度を表しています。曲線 C は、布の境界を表しています。ストークスの定理は、布の表面(curl F で表される)に沿った風の「渦効果」が境界に沿って測定された累積効果と等しいことを示しています。

視覚的な例を用いてこれを明らかにしましょう。布の縁取りカーブを形成する布の長方形部分を考えます。

C(limit curve)

この図では、赤い矢印は曲面 S 上のベクトル場を示しています。線積分は、このベクトル場の効果を境界の経路に沿って合計したものです。しかし、S 上のカールを計算することで、ストークスの定理によって説明される単純化が可能になり、この 3D の複雑さを 2D 境界の構造に変換することが可能です。

ストークスの定理の応用: 例

理解をさらに深めるために、例を考えてみましょう。

ベクトル場 F = (xz, yz, z) があり、第一オクタント内で x² + y² + z² = 1 として形作られる曲面 S の場合を考えます。すなわち、x, y, z が非負の部分とし、z = 0 では半径 1 の円盤です。

関数 C は頂点の円です(z = 1 のとき)。ストークスの定理を用いて線積分 ∮_C F • dr を評価します。

まず、curl F を見つけましょう。

F = (xz, yz, z)
curl F = (∂/∂y (z) - ∂/∂z (yz), ∂/∂z (xz) - ∂/∂x (z), ∂/∂x (yz) - ∂/∂y (xz))
       = (0 – y, x – 0, y – x)
       = (-y, x, y – x)

表面積分に貢献する主な成分は、曲面に垂直な成分 (-y, x, yx) です。

曲面 z = 1 の場合、k 成分 (yx) の二重積分を評価します。

∬_S curl F • dS = ∬_S (y-x) dS

この面を極座標で x² + y² = 1 としてパラメータ化してみましょう: x = r cosθ, y = r sinθ, ここで r0 から 1 まで、θ0 から π/2 までです。

∬_s(yx)ds 
= ∫_(0)^(π/2)∫_(0)^(1) (r sinθ - r cosθ) r dr dθ
= ∫_(0)^(π/2)∫_(0)^(1) (r² sinθ - r² cosθ) dr dθ

内側の積分と外側の積分を計算することで、面積積分が C 周辺の線積分に等しいことがわかり、ストークスの定理が確認されます。

重要な概念と影響

  • ストークスの定理は曲面積分を線積分に、またその逆に変えるのに役立ち、あるタイプの積分を計算する方が簡単な場合に重要です。
  • ベクトル場の curl は、フィールド内の回転挙動に関する重要な情報を提供し、物理学の問題でよく適用されます。
  • この定理は、グリーンの定理や発散定理を含むベクトル解析のいくつかの基本定理を一般化しています。

気象パターンの理解から電磁場の挙動まで、ストークスの定理は貴重な洞察を提供し、ベクトル場の性質に関する三次元理解を、二次元の直感的な概念に結びつけます。


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